発振物質が個体である固体レーザーは医療用レーザーとして使われています。その医療用レーザーであるヤグレーザーは、水に吸収されにくいという利点があるので、皮膚の深い所の凝固作用に用いられています。たとえば美容外科において、しみ、あざ、いれずみ、ほくろなど色素性病変の除去に効果を上げています。正常な細胞に傷を付けずに、ターゲットの細胞色素だけを破壊します。眼科でも、膜に穴をあけ濁りを取るという後発性白内障の治療にも用いられて、成果を上げています。所要時間は5分程度で痛みもなく終わるのが特徴です。さらには整形外科の分野でも実績を上げています。椎間板ヘルニアの患者にレーザーをあて、椎間板の髄核を焼くことでヘルニアを治療します。局所麻酔で治療できるうえに出血が少ない、大きな傷跡が残らない、入院期間が短い、副作用が少ないなどの長所があります。ほかにもいびきや、膀胱内の治療、痔核の手術など医療の世界で幅広く利用されています。
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